サーバ関数
サーバ関数 (Server Function) を使用することで、サーバで実行される非同期関数をクライアントコンポーネントから呼び出すことができます。
サーバ関数が "use server"
ディレクティブを付けて定義されると、フレームワークは自動的にそのサーバ関数への参照を作成し、その参照をクライアントコンポーネントに渡します。クライアントでこの関数が呼び出されると、React はサーバにリクエストを送信して元の関数を実行し、その結果を返します。
サーバアクションはサーバコンポーネント内で作成し、クライアントコンポーネントに props として渡すことができます。また、クライアントコンポーネントで直接インポートして使用することも可能です。
使用法
サーバコンポーネントでサーバ関数を作成する
サーバコンポーネントは "use server"
ディレクティブを使用してサーバ関数を定義できます。
// Server Component
import Button from './Button';
function EmptyNote () {
async function createNoteAction() {
// Server Function
'use server';
await db.notes.create();
}
return <Button onClick={createNoteAction}/>;
}
React はサーバコンポーネントである EmptyNote
をレンダーする際に、createNoteAction
関数への参照を作成し、この参照をクライアントコンポーネントである Button
に渡します。ボタンがクリックされると、React は渡された参照を使用してサーバにリクエストを送信し、createNoteAction
関数を実行します。
"use client";
export default function Button({onClick}) {
console.log(onClick);
// {$$typeof: Symbol.for("react.server.reference"), $$id: 'createNoteAction'}
return <button onClick={() => onClick()}>Create Empty Note</button>
}
詳細については、"use server"
のドキュメントを参照してください。
クライアントコンポーネントからサーバ関数をインポートする
クライアントコンポーネントは "use server"
ディレクティブを使用するファイルから、サーバ関数をインポートできます。
"use server";
export async function createNote() {
await db.notes.create();
}
バンドラがクライアントコンポーネントである EmptyNote
をビルドする際に、バンドル内で createNoteAction
関数への参照を作成します。button
がクリックされると、React は渡された参照を使用してサーバにリクエストを送信し、createNoteAction
関数を実行します。
"use client";
import {createNote} from './actions';
function EmptyNote() {
console.log(createNote);
// {$$typeof: Symbol.for("react.server.reference"), $$id: 'createNoteAction'}
<button onClick={() => createNote()} />
}
詳細については、"use server"
のドキュメントを参照してください。
サーバ関数をアクションと組み合わせる
クライアントでは、サーバ関数をアクション内で呼び出せます。
"use server";
export async function updateName(name) {
if (!name) {
return {error: 'Name is required'};
}
await db.users.updateName(name);
}
"use client";
import {updateName} from './actions';
function UpdateName() {
const [name, setName] = useState('');
const [error, setError] = useState(null);
const [isPending, startTransition] = useTransition();
const submitAction = async () => {
startTransition(async () => {
const {error} = await updateName(name);
if (!error) {
setError(error);
} else {
setName('');
}
})
}
return (
<form action={submitAction}>
<input type="text" name="name" disabled={isPending}/>
{state.error && <span>Failed: {state.error}</span>}
</form>
)
}
このようにクライアント側のアクションでラップすることで、サーバ関数由来の isPending
state にアクセスできるようになります。
詳細については、<form>
外でサーバ関数を呼び出すを参照してください。
サーバ関数とフォームアクション
サーバ関数は React 19 の新しいフォーム関連機能と連携して動作します。
フォームにサーバ関数を渡すことで、自動的にフォームをサーバに送信できます。
"use client";
import {updateName} from './actions';
function UpdateName() {
return (
<form action={updateName}>
<input type="text" name="name" />
</form>
)
}
フォームの送信が成功すると、React は自動的にフォームをリセットします。useActionState
を追加して、進行中 (pending) state や最終的なレスポンスにアクセスしたり、プログレッシブエンハンスメント (progressive enhancement) をサポートしたりすることが可能です。
詳細については、フォーム内でのサーバ関数を参照してください。
useActionState
とサーバ関数
useActionState
とサーバ関数を組み合わせることで、アクションの進行中 state と最後に返されたレスポンスにアクセスする、という一般的なユースケースに対応できます。
"use client";
import {updateName} from './actions';
function UpdateName() {
const [state, submitAction, isPending] = useActionState(updateName, {error: null});
return (
<form action={submitAction}>
<input type="text" name="name" disabled={isPending}/>
{state.error && <span>Failed: {state.error}</span>}
</form>
);
}
サーバ関数と useActionState
を使用する場合、React はハイドレーションの完了前に実行されたフォーム送信を自動的に再現します。これにより、ユーザはアプリのハイドレーションが起きる前からアプリを操作できるようになります。
詳細については、useActionState
のドキュメントを参照してください。
useActionState
を使用したプログレッシブエンハンスメント
サーバ関数は useActionState
の第 3 引数を使用してプログレッシブエンハンスメントもサポートします。
"use client";
import {updateName} from './actions';
function UpdateName() {
const [, submitAction] = useActionState(updateName, null, `/name/update`);
return (
<form action={submitAction}>
...
</form>
);
}
パーマリンクが useActionState
に渡された場合、JavaScript バンドルが読み込まれる前にフォームが送信されると、React はこの渡された URL にリダイレクトします。
詳しくは、useActionState
のドキュメントを参照してください。